箱庭事件簿
声劇台本【箱庭事件簿】
配役 (3;3)
探偵…桐生院 亞里亞(きりゅういん ありあ)
フレ…フレンド
直寿(なおひさ)
麗子(れいこ)
富永(とみなが)
レイ…レイチェル
【本編】
探偵;……あれ。此処は……何処?
フレ;やぁ、お目覚めかな。桐生院 亞里亞くん。
探偵;!?誰なの!?
フレ;んー……そんな台詞じゃあカッコ悪くて話にならないな。
君はこれから僕の対戦相手になるんだから。
探偵;はぁ!?
一体何言ってーー
フレ;(切るように)君は探偵ではあるが、探偵に必要なスキルを所持していない。
推理力や洞察力よりも大切な物……殺人現場に遭遇するという……死神としてのスキルがね。
探偵;……船や列車、乗り物に乗ったり、レジャーに行ったら人が死ぬっていうジンクスのこと?
フレ;それが名探偵と普通の探偵の違いと言えるだろうね。
では……何故僕がそんな事を君に話しているかと言うと。
……えっとわからないかい?
探偵;え?何が?
フレ;(ため息)君には想像力というのは無いのかい?
まぁ……現実的ではないけど、僕の存在は非現実的と言っても過言じゃあないからなぁ……。
それなら仕方ないか。
僕のことを理解して貰うしかないかな。
……僕は死神であり、悪魔であり、天使だ。
探偵;……は?
フレ;ほらほら、脳の回転を止めちゃあ駄目だよ。
僕は名前の無い非現実的な化物。そんな化物が君を名探偵にさせてあげるって言っているんだよ。
探偵;あー……馬鹿馬鹿しくて脳が思考停止してしまったわ……。
でも……そんな嘘を言う為に私を見知らぬ場所に連れて来る意味がわからないわ。
行動に意味がなさすぎる。
フレ;あ、信じてくれる?
よかったぁー……化物の証拠を見せろって言われたら、君を殺さなければならなかったからねー。
探偵;……そ、そうなんだ…。
フレ;まぁ君を呼んだのは、超簡単。
僕と楽しいゲームをして、君が勝ったら名探偵にしてあげる。
探偵;ちょっと待って。
さっき言ってた名探偵のスキルなんだけど、殺人事件に遭遇してしまう体質になるってこと?
それってどうやったらなれるのよ。
フレ;それはね……名探偵と呼ばれる者達には、死神がついてるからだよ。
あ、比喩じゃあないよ。本当に死神がついているんだ。
死神が殺人事件を招く。そして探偵がその事件を解決する。
まぁ、事件を解決しないと、死神に殺されるから文字通り命懸けだよね。ははは。
探偵;あ、そんな命懸けで名探偵になりたくないから辞退します。
フレ;辞退?
……そんなこと、出来るわけ、無いじゃあないか。
桐生院 亞里亞。お前は今、喉元にナイフを突き付けられてる状態と変わらないんだ。
さぁ、ゲームを始めよう…。
負けて此処で殺されるか。
それとも、生きて名探偵として死ぬまで僕に命を狙われるか。
探偵;……わかったわ。
ゲームに参加する。
でも、ゲームって一体何をするのよ?
フレ;推理ゲームさ。目の前に箱庭が見えるだろ?
この箱庭で今から殺人事件が起こる。
君はその事件を解決できたら勝ち。出来なければ負け。簡単だろ?
探偵;簡単ね……。
こっちはプレッシャーに押し潰されて、今にも死にそうだっての……。
フレ;ふふ…そう言いながらも、素敵な笑顔を見せる君はとても素敵だよ。
探偵;あ……。一つ質問。
フレ;ん?何かな?
探偵;あなたの名前だけど……。さっき名前の無い化物って言ってたわよね?
フレ;うん。僕には名前がない。
それがどうかした?
探偵;じゃあ、あなたの事は何て呼べばいいの?
フレ;んー。そうだなあ。「フレンド」。
友達と気軽に呼んでくれないかい?
探偵;皮肉にも程があるわよ。命を狙う友達って……。
フレ;まぁいいじゃないか。
さて……それじゃあ始めよう。
舞台は二十世紀のミステリーブーム!!嵐の中に閉じ込められた孤島。
1人の男がロープで首を吊っている所から始まる…。
【間を開ける】 ※5秒程度
レイ;きゃああああ!!
だ、旦那様!?
直寿;どうしたんだ!?
お……親父!?
麗子;まったく何を騒いで……お父さん…?
富永;だ…旦那様…!!
は、早くロープから下さなくては!!
探偵;駄目よ!!
これ以上現場を荒らす事は禁ずるわ!!
直寿;あ……アンタは一体!?
探偵;自己紹介をさせて貰うわ…。
私は桐生院 亞里亞。私立探偵よ。
直寿;た……探偵!?
麗子;だ、誰よ部外者を此処に連れて来たのは!!
富永;す、すみません!!
先程船の様子を見に行った時に、この方が波打際(なみうちぎわ)で流されておりまして……。
探偵;いや、ちょっと待って!!
フレ;え?まだ何も手掛かりも無いのに解決できたのかい??
探偵;いや、そうじゃなくて……。
まず、この箱庭になんで私がいるのよ!!
あと、何で孤島に流されてるのよ!!
フレ;細かい事はいいじゃないか。
孤島に流れ着いたら殺人事件が起こってしまった。それだけだよ。
あと、この箱庭の人間は人形であって、実際の人物とは一切関係ないから安心してね。
探偵;まぁ……いいわ。
えっと。人形達には名前はあるの?
フレ;では、登場人物を紹介しよう。
まずは被害者。金田剛造(かねだごうぞう)はこの孤島に屋敷を持つ人物で。
幾つか会社を経営している。
次に最初に第一目撃者のレイチェル。この屋敷のメイドだね。
第二目撃者は剛造の息子、金田直寿(かねだなおひさ)。
その後にやって来たのは娘の麗子。2人は屋敷には住んでないんだけど、
家族総会があって、やって来たってところかな。
最後に、探偵、桐生院と一緒にいたのは執事の富永。さぁ、この謎が解けるか??
探偵;いや、名前だけ教えて貰っても犯人なんてわかるわけないでしょ…。
うーん……これって箱庭の探偵は動かせるの?
フレ;うん。話しかけたり、調べたりするのは出来るよ。
探偵;なるほどね…だったら……。
私の事はいいんです!此処は殺人現場になっている可能性があります!!
ひとまず、皆さんはこの部屋から出て行ってください!!
直寿;そうは言っても……。
親父をあのままには……。
麗子;そ、そうよ…あのまま首を吊ったままってのは可哀想だわ……。
探偵;お気持ちは分かります。
ですが、どうか抑えてください。
誰かに殺害された場合、犯人の証拠が消えてしまうかもしれません。
直寿;……わかった。
ここは探偵さんの言う通りにしてやろう。
麗子;でも……。
直寿;これ以上何かしたら、犯人だって思われちまうぜ?
麗子;なっ!?
殺したのは兄さんでしょ!?
直寿;はぁ?
なんで俺が親父を殺さないといけないんだよ!!
富永;直寿様、麗子様……どうか落ち着いてください…。
直寿;落ち着けだ?
おい富永……こんな状況でよく落ち着けなんて言えるなおい!!
お前が殺したのか?
富永;と、とんでもない!!
私は30年も旦那様に忠義をーー
麗子;忠義ねぇ……我慢の限界で、グイッと殺しちゃったんじゃあないの?
富永;麗子様まで…!!
麗子;それに……レイチェルもレイチェルよ…。
怯えたフリなんかしちゃって。
レイ;そ……そんな……私は…。
直寿;レイチェルは関係ないだろ!!
麗子;そうよねー!
アンタ達は婚約してるんだから兄さんもレイチェルを味方するわよね!!
探偵;そこまで!!
話の続きは部屋の外でやってください!!
【間を開ける】
フレ;……とまぁ、こんな感じに事件が発覚したわけだ。
お茶飲む?緑茶紅茶珈琲その他諸々お茶菓子も揃っているよ?
探偵;じゃあ……チータラとブラック珈琲。
フレ;え?チータラ?ブラック珈琲に合うの?
探偵;合う合わないじゃなくて、珈琲はカフェインが入ってて頭が回りやすいのよ。
フレ;じゃあチータラは?
探偵;……私が好きだから…。
フレ;ふふ……可愛いとこあるじゃあないの!!
好きな食べ物がチータラ……なんかおじさんみたいだね!!
探偵;うるさいわね……あるの?ないの?
フレ;残念ながらあるんだな。
ブラック珈琲はインドネシア産のコピ・ルアクに、チータラは北海道の函館から取り寄せた物をだそう。
探偵;どうもありがと。(もぐもぐ)
んー♪美味しいわねこれ!!
フレ;さて、事件現場の状況はこんな感じ。
ドアの鍵はかかっていて、窓も同様に閉まっていて、中はプチ密室だったわけだ。
探偵;ん?プチ密室ってどういうこと?
フレ;あぁ、メイドのレイチェルが合鍵を持っているんだよ。
執事の富永は老体だから、食事やら雑用やらは基本的にレイチェルがやっていたんだ。
探偵;なるほどね……。
ちなみに、首を吊ったロープだけど……。結び方はどんな感じ?
フレ;どんな感じ?ってどういう事?
探偵;結び目の紐はは右下がりなの?左下がりなの?
フレ;あぁ、左下がりだよ。
探偵;ふーん……じゃあ遺体の利腕は?
フレ;右利きだよ。
探偵;じゃあこれは殺人事件ね。自殺じゃあないわ。
フレ;まぁ、お約束だよね。
右利きと左利きだと結び方が異なるから。
探偵;ってことは犯人だけど……
フレ;質問はいくらでもしていいよ。
犯人は誰?って言うの以外ならね。
探偵;じゃあ、左利きの人は?
フレ;息子の直寿、メイドのレイチェル。そして執事の富永だね。
探偵;左利きなのに多いわね……。
じゃあこの中で被害者を殺しそうな動機を持ってる人は?
フレ;動機だけなら皆あるさ。
直寿とレイチェルは結婚を反対されてたし、麗子は多額の借金がある。
執事は仕事のストレスを散々抱えているからねー。
さて……君にはこんな推理ゲーム簡単だったかな?
探偵;ふざけないで。まだ何も解ってないじゃないの。
部屋の扉と窓には鍵が。
鍵を持っているのは、ひ弱なメイドただ1人。
男性をロープに吊すなんて、出来るわけがない。
被害者の死亡推定時刻はどれくらいなの?
フレ;ふふ…。この場に医者はいないから正確な時間はわからないよ。
まぁ、こんな感じで調べるってのはどうだい?
【間を開ける】
探偵;まだ推理の途中ですが、この事件は殺人事件と判断します。
直寿;そんな……。
親父がこの誰かに殺されたってことなのか!?
探偵;断定はまだできません。
もしかしたら、別の人物。犯人X(えっくす)が存在するかも……。
直寿;お、俺らが親父を殺すわけないだろ!?
多分別の奴が犯人なんだよ!!
探偵;えぇ…。ですが、犯人Xの可能性は比較的0に近いと思います。
だから、皆さんが最後にお父様にお会いしたのは何時くらいでしょうか?
直寿;親父に最後に会ったのは……夕食を食べた6時くらいだな。
レイチェル以外は皆それくらいの時間だと思う。
麗子;あ……私は7時。
お父様に会いに行ったわ。その時はちゃんと生きてたわ。
直寿;麗子……親父に何か用だったのか?
麗子;う……うん。
ちょっとね。……お金を借りようと……。
直寿;またかよ!?
どんだけ借りてんだよ!!
麗子;しょうがないでしょ!!
経営にはお金がかかるんだから!!
直寿;金がかかる……?そんなの仕事とは言わねんだよ!!
なぁ……お前が殺したんじゃねぇのか??
麗子;はぁ!?ふざけんじゃないわよ!!
私が部屋に行った時にはまだ生きてたんだから、兄さんの婚約者のほうが怪しいじゃない!!
直寿;レイチェルは関係ないだろ!!
麗子;それはどうかしらね!!
探偵;ちょっと落ち着いてください!!
麗子さん、どういう事ですか?
麗子;……(ため息)最後にお父様に会ったのは、メイドのレイチェルだからよ。
珈琲を持って行くっていってたわ。
探偵;レイチェルさん。それは本当ですか?
レイ;……はい。
旦那様はいつも19時半と21時半に珈琲を……。
探偵;私たちが遺体を発見したのは、21時40分。
という事は、19時半から21時半までの2時間の間に殺されたと…。
では、その時間に皆さんは何をしていましたか?
富永;では……私が説明を…。
夕食後は直寿様と麗子様はリビングでくつろいでいらっしゃいました。
その後は麗子様が席を立たれたので、レイチェルと私は屋敷の仕事をしておりました。
探偵;屋敷の仕事というのは?
富永;私は嵐で船が流されてないか確認と、風で何か飛ばされてないか確認を……。
レイ;私も明日の朝食の材料と無くなった材料を保管庫から取りに行ってました。
探偵;保管庫とは?
レイ;外の離れにあります。
探偵;そう……ですか。
【間を開ける】
フレ;……と、言う事で。
容疑者のアリバイはこんな感じになるよ。
探偵;ねぇ、首をロープで締めるって、ひ弱な女性や老人にできたりする?
フレ;まぁ普通は出来ないよねー。
ロープを引く力が物凄く強くないと、暴れられて逆に殺されかねないね。
探偵;そうよねー…。
あ、その保管庫ってどれくらい遠いの?
フレ;保管庫はここから50メートル先にあるよ。
探偵;じゃあ……ここね。
フレ;そうそう。そこだよー。
探偵;……ねぇ。ここって…。
水車?
フレ;ん?保管庫だよ?
探偵;いや、保管庫の隣にある……。
フレ;あぁ、そこでは水力発電もやっててね。
屋敷の電力の一部はここで保っているんだよ。
あとは小麦粉を作ったりもしてるから保管庫の近くにつくっているみたいだね。
探偵;ふーん。あとは……。
もう一度犯行現場の探索ってできるかしら?
フレ;ん?何かわかったのかい?
探偵;まぁ……もしかしたらね。
フレ;では……探索してみよう。
探偵;必要なのは2点。
被害者の首のロープの痕(あと)は?
フレ;ロープの痕?
探偵;2つない?
フレ;ふふ……。あるよ。
探偵;やっぱり…。
じゃあ次にロープの吊し方は?
フレ;天井の柱に紐を通して、床に固定されている家具に縛られているね。
探偵;そのロープはどこかで別の結び目がない?
フレ;へぇ……まるで見ているようだね。
あるよ。
探偵;……解けたわ。
フレ;おーお見事!!
流石は名探偵(仮)!!
探偵;なによ(仮)って…。
フレ;その推理が正解だったら外してあげるよ。
それまでは、(仮)は外せないな。
探偵;じゃあ死にたくないし、言語化するわよ。
フレ;あー。でもちょっとまって。
名探偵たるもの謎が解けた時の名台詞って必要だと思わない??
探偵;解けたじゃダメなの?
フレ;駄目だよー。
それじゃあパートナーの僕が笑われてしまう。
探偵;じゃあ……。
【間を開ける】
麗子;探偵さん!!
犯人が見つかったって本当!?
探偵;えぇ。私の命をかけてもいいわ。謎は解けています。
麗子;え?……命?
探偵;あぁ、気にしないで。
事件の概要はこうです。
犯人は剛造さんに睡眠薬を入れて、ロープに首を括らせ締め殺す。
まぁ、単純に言えばこうなります。
直寿;おいおい……その言い方だと、俺が犯人って言われそうだな!!
俺は親父を殺していないぞ!!
探偵;えぇ。ロープに吊すのであれば、女性やご老体には殺害は無理でしょう。
ですが、あるトリックを使えば誰でも犯行が可能です。
富永;トリック……ですか?
探偵;えぇ。そのトリックは3本のロープで解決します。
眠らせた剛造さんの首にロープを括らせた後、
犯人は保管庫の隣にある水車にロープを結び、巻き取らせ、首を絞めた。
その後別のロープを結び、床に固定された家具に紐を結ぶ。
最後に水車のロープを切れば……ロープは水車に巻き取らせば誰でも犯行が可能になります。
直寿;3本のロープを結ぶって……そう簡単にできるわけがない!!
やっぱり犯人Xが……
探偵;テグス結びと、本結びってご存知?
直寿;てぐ?……え?本結び?
探偵;テグス結びは釣りをする時に使う結び方。
そして本結びはハンモックを結ぶ方法……。
こんな孤島に住んでいるわけですから、
使用人達はこれらの結び方を知っているはずです。
そして、水車は保管庫の隣にあるわけだから…。
犯人は……あなたです。メイドのレイチェルさん。
レイ;……え?
そ、そんな私…旦那様を殺してなんか
直寿;そうだ!!レイチェルがそんなことするわけないだろ!!
それにそんな推測……
探偵;まず、このトリックの問題は2つ。
ロープを切る時に遺体が数センチ落ちてしまい、ロープの痕が二つになってしまう。
そして、水車のロープには……証拠が残ってしまう。
水車にむかいましょう。
そこには証拠になった長いロープがあるはずです。
レイ;いいわ。行かなくて。
あーあ……鍵を持っていれば怪しくて犯人じゃないと思うと思ったのになー。
直寿;レイチェル……どう言うことなんだ!?
レイ;どう言うこと?
……本当に何も知らないのね。
あの男はね……私の父親なのよ。
直寿;父…親?
レイ;えぇ。だから私たち兄妹(きょうだい)なの。
……あの男は私の母親を愛人にして、私が出来た途端に捨てたの。
私は復讐を果たす為にこの屋敷に忍び込んだ。
本当に馬鹿な男だったわ……。まさか娘の私を襲おうとするんだから。
息子も息子よ…。アンタは自分の父親と同じ過ちをしようとしたんだから……。
直寿;お……俺は真剣に…。
レイ;いいえ。私知ってるの。
あなたには許嫁がいて、まだ婚約とは解消してないんでしょ?
私と許嫁を天秤にかけるなんて……本当に最低な男。
直寿;そ……それは…。
レイ;……もういいわ。
本当は私の罪をあなたに擦りつけようとしたのに…。
まぁ、仕方ないわね。
探偵;ちょっといいですか?
レイ;……なによ。
探偵;レイチェルさん。
この事件なんですが……。まだ解決出来てないことがありますよね。
レイ;もういいじゃない。
私が犯人…それでいいじゃない。
探偵;いえ……なぜあなたが首吊りなんて証拠の残る犯行をしたのか。
それはすぐにわかりました。
たった1人だけ、容疑者に上がらない人物がいました。
それは……。妹を容疑者から外させたかったから……ですよね。
麗子;それって……私のこと?
探偵;そうなりますね。
あなたを守る為に、自分を疑われるかもしれない犯行をした。
……って事でいいのかしら?
【間を開ける】
フレ;ブラボー!!ブラーボー!!
見事犯人を当てたね!!
いやー!感動した!!
探偵;なーにが感動したよ……。
結局鍵を持ってた人が犯人だったじゃない。
フレ;それは試験の推理問題で、一番怪しい奴が犯人だと思わないじゃないか。
答えはシンプルだったら面白くない。
だけど、真実って言うのはシンプルなもんさ。
探偵;シンプルね…。箱庭とはいえ、人が死んだのに……
フレ;おやおや。これから人が何人も死ぬんだよ?
そんなじゃあ……名探偵になったとしても精神が持たないぜ?
なぁ桐生院亞里亞。
……お前は、これから何度もこの俺に殺されるんだ。
その恐怖に耐えれるか?
探偵;耐える?
……フレンズ。あなたは誤解をしているわね。
私は名探偵の資格として、死神をパートナーにしたのよ?
逆にあなたを仕事で過労死するくらい事件を解決してやるわよ。
フレ;ふふ……死である僕を過労死って…ふふ…ふはははははは!!!
いいねぇ……君。気に入ったよ。
それでこそ僕のパートナーだ……。
では、外に出て本物の事件に出逢いに行こう。
【終】