スカーズ3

スカーズ3

 


ロバート・ベック

ベンジャミン・スカー

イーサン・ウォルヴィッツ

ミシェル・コールマン

シェリー・メイソン

 

 

 

 


イーサン:(溜息)まさか3週間も拘束されるとは・・・。

イーサン:もう少し早く来ることは出来なかったのか?

 


ベンジャミン:たかが3週間くらいでママのシチューが恋しくなってしまったのかな?

ベンジャミン:我々も色々と準備があったのでね。

 


イーサン:準備とは?ロバート答えろ。

 


ロバート:・・・ノーコメントで。

 


イーサン:ボスの命令だ。答えろ。

 


ロバート:・・・色々は色々なんだよ。

ロバート:いいから察してくれ。

 


ベンジャミン:ふふ。ちょっとしたゲームをしたんだよ。

ベンジャミン:おしゃべりなロビィの口にチャックをするって遊びでね。

 


イーサン:・・・エリザベスはどうした?

 


ベンジャミン:それも答えられない。

ベンジャミン:ポーカーで勝つ秘訣はなんだと思う?

 


イーサン:私は賭け事はやらん。

イーサン:早く答えろ。

 


ベンジャミン:(溜息)本当につまらない人生を歩んでいるのだなキミは・・・。

ベンジャミン:今度教えてあげよう。

 


イーサン:いらん!!

イーサン:早く答えろ!!

 


ベンジャミン:ふふ。本当にせっかちな男だ。

ベンジャミン:それでは女の子にもモテないぞ?

 


イーサン:・・・ロバート。答えろ。

 


ロバート:いや、だから話せないんだって・・・

 


イーサン:よし。わかった。

イーサン:ロバート・ベック。お前の給料を減給に・・・

 


ロバート:流石にそれは困る!!

ロバート:ポーカーに勝つ秘訣だろ!?それくらい教えてもいいだろうが!!

 


ベンジャミン:ふふ。仕方ない。教えてあげよう。

ベンジャミン:ポーカーで勝つ秘訣は・・・・

ベンジャミン:カードを簡単にバラさないことさ。

 


イーサン:・・・どういうことだ?

 


ロバート:強いカードでも弱いカードでも・・・

ロバート:何を持っているか教えちゃいけないって事だよ。

 


イーサン:・・・当たり前じゃあないか。

 


ロバート:別にFBIとポーカーをやりに来たわけじゃあねぇだろうが・・・。

ロバート:交渉するにも事件をあっさり解決するのにも。手の内を明かす訳にはいけないってことだっつーの・・・。

 


イーサン:・・・最初からそういえばいいだろうが。

 


ロバート:・・・(溜息)

ロバート:本当に疲れるんだけど。こいつ。

 


ベンジャミン:では、おしゃべりロビィは私にチップを払いたまえ。

 


ロバート:はぁ!?

ロバート:話していいっていったじゃあねぇか!!

 


ベンジャミン:私は自分から教えただけだ。

ベンジャミン:キミは勝手に私の話の意図を説明してしまった。

ベンジャミン:これで君のあだ名はおしゃべりロビィに決定し、今日の私のランチを買ってきてもらう事になったな。

 


ロバート:あー・・ファック・・・!!

ロバート:

ロバート:

ロバート:

 :【間を開ける】

 :

 : 

 :

ミシェル:・・・アナタがベンジャミン・スカー?

 


ベンジャミン:えぇ。お初にお目にかかります。ミセスコールマン。

ベンジャミン:アナタのお話はニューヨーク市警にも噂になっておりますよ。

 


ミシェル:へぇ。一体どんな噂かしら。

 


ベンジャミン:FBI捜査官の中で最も美しい捜査官でありながら、

ベンジャミン:・・・もっとも恐ろしい捜査官だと。

ベンジャミン:ふむ。どうやら噂の一つは本当だったようだ。

 


ミシェル:ふふ。

ミシェル:それは後者のほう・・・かしらね。

 


ベンジャミン:いやいや、とんでもない!!

ベンジャミン:アナタのような美しい女性と話すのでしたら・・・

ベンジャミン:ディナーの席を用意するべきでした。

 


ミシェル:あら、今からでも予約をとろうかしら?

 


ベンジャミン:ははは。

ベンジャミン:それはそれで、隣の彼女が困ってしまうのでは?

 


ミシェル:え?あぁ・・気にしなくていいのよ。

ミシェル:新米捜査官の御守りをしているだけ。

 


シェリー:・・・シェリー・メイソンです。

 


ベンジャミン:これはこれは。ご挨拶が遅れてしまいましたな。

ベンジャミン:・・・ベンジャミンだ。手の甲にキスをしてもいいかな?お嬢さん。

 


シェリー:一応こんな身なりですが、FBI捜査官です。

シェリー:口の利き方には気を付けなさい。ベンジャミン・スカー。

 


ベンジャミン:これは失礼した。

ベンジャミン:だが、私のような男が花束を二つも持っていくのは少々目立ってしまう。

ベンジャミン:・・・男を一人同行させてもよろしいかな?

 


ミシェル:ディナーの件は二人っきりだと思っていたのに。

 


ベンジャミン:ではデートの誘いはまた今度ということで・・・。

ベンジャミン:本題に入ろう。

ベンジャミン:イーサンをニューヨーク市警に戻してくれるのであれば、手紙の件の詳細を伝えよう。

 


ミシェル:・・・手紙の件?

ミシェル:もしかして・・・これの事かしら?

 


ベンジャミン:ふふ。

ベンジャミン:中身には読んだら燃やせと書いてなかったかな?

 


ミシェル:アナタの指紋と筆跡を燃やして捨てろ?

ミシェル:そんなのありえないわ。

 


ベンジャミン:・・・よかろう。

ベンジャミン:手紙の内容はこう書かれていたはずだ。

ベンジャミン:「現在ニューヨークに潜伏している連続レイプ殺人犯の情報をわたす」・・・と。

 


ミシェル:えぇ。・・・だけど。

ミシェル:一体何のことかさっぱりわからないわね。

 


ベンジャミン:君如きが。いや、FBI如きが、

ベンジャミン:私に隠し事できると思っているのかい?

ベンジャミン:今現在、君たちが追っている犯人の情報を教え、さらには我々が手伝ってやると言っているのだよ。

 


ミシェル:・・・ニューヨーク市警如きが?

ミシェル:ふふ・・ふふふ・・・(大笑い)

ミシェル:ふざけるのもいい加減にしなさい。

ミシェル:アナタを今すぐ牢屋に叩きこんでもいいのよ??

 


ベンジャミン:・・・ふふ。本性を出したか。女狐が。

 


ミシェル:それで、どこまで情報を手に入れているの?

ミシェル:情報提示だけでもイーサン・ウォルヴィッツニューヨーク市警に帰してあげてもいいわよ。

 


ベンジャミン:ふふ。

ベンジャミン:私が知っている情報は・・・犯人の名前と住所。

ベンジャミン:あとは所持している武器、資産、家族構成。あとは女の趣味くらいかな。

 


ミシェル:・・・どこまでふざけるつもり?

 


ベンジャミン:いんや。ふざけてなどいないさ。

ベンジャミン:ただ、今何処にいるかは分からないだ。

ベンジャミン:犯人はただの凶悪犯ではない。

ベンジャミン:賢く、やっかいな凶悪犯なのだよ。

 


シェリー:それは・・・いったいどういう・・・

 


ミシェル:メイソン捜査官。口を閉じなさい。

 


シェリー:す、すみません・・。

 


ミシェル:・・・。

ミシェル:ミスター・スカー。そこまでの情報を持ちながら、何故ニューヨーク市警は逮捕しないのですか?

 


ベンジャミン:だから言っているだろう?

ベンジャミン:今何処にいるのかが分からないと。

 


ミシェル:・・・確かに我々が、全力で捜査している事件はあります。

ミシェル:ですが。こっちもそれくらいの情報は・・・

 


ベンジャミン:持っていないだろ?

ベンジャミン:私がFBIのコンピューターシステムをハッキングしなくても今のはわかる。

ベンジャミン:・・・ミシェル・コールマン。

ベンジャミン:私とポーカーなんてしたら・・・キミ。一文無しになってしまうね。

 


ミシェル:・・・いいでしょう。

ミシェル:イーサン・ウォルヴィッツを返しましょう。

ミシェル:その代わり・・・

 


ベンジャミン:あー。もちろん情報は渡す。

ベンジャミン:それで、私に貸しをつくりたいとは思わないかな?

 


ミシェル:・・・貸し?

 


ベンジャミン:私の強力な部下を一名お貸ししよう。

ベンジャミン:きっと役に立つはずだ。

 


ミシェル:・・・名前は?

 


ベンジャミン:ロバート・ベック。

ベンジャミン:私も君には貸しをつくりたい。

ベンジャミン:必ず犯人を見つけるだろう。

 


ミシェル:わかったわ。貸しを作らせてあげる。

ミシェル:では・・・私もアナタに部下を一人貸しましょう。

ミシェル:・・・シェリー。

 


シェリー:はい。

 


ミシェル:・・・。なにかあったら射殺してかまわないわ、

 


シェリー:・・・わかりました

シェリー:

シェリー:

シェリー:

 :【間を開ける】

 :

 :

ベンジャミン:さて・・・では帰ろうかイーサン。

 


イーサン:・・・一体何をした?

 


ベンジャミン:何をした・・・いや、私はキミを迎えにきただけだよ?

ベンジャミン:FBIのお姉さんに、優しくお願いをしたらキミを返してくれると言われたから、今キミを車に乗せようとしている。

 


イーサン:お願い?

イーサン:脅迫の間違いじゃあないのか?

 


ベンジャミン:とんでもない!

ベンジャミン:私はフェアにお願い事をしただけであって・・

 


イーサン:では何故ロバートがいない?

 


ベンジャミン:それは私の気持ちだよ。

ベンジャミン:彼等が困っている案件に協力するためにロビィをここに置いた。それだけの話だ。

 


イーサン:・・・ベンジャミン。正直に答えてくれ。

イーサン:私はボスだ。アンタはそうは思ってはいないと思うが・・・

 


ベンジャミン:わかっている。

ベンジャミン:嘘などついていないさ。

ベンジャミン:ところでイーサン。ビジネスをするにあたって最も重要な事は何だと思う?

 


イーサン:・・・信頼だ。

 


ベンジャミン:あぁ確かに重要だ。

ベンジャミン:信用なしではビジネスは成り立たない。

ベンジャミン:だが、最もではない。

ベンジャミン:ビジネスにおいて、もっとも重要なのは・・・恩を売ることだ。

 


イーサン:何が言いたいんだ?

 


ベンジャミン:私はボスであるキミを助けることで恩を売り、

ベンジャミン:FBIにはその恩をすぐに返すことができた。

ベンジャミン:いや、むしろ恩を売ったのだよ。

ベンジャミン:・・・これでFBIは私を捕まえるよりも協力を求めることになった。

 


イーサン:・・・うるさいハエを片付けた・・・ということか。

 


ベンジャミン:その通り。

ベンジャミン:ついでに最新の情報も手に入れられそうだ。

 


シェリー:・・・失礼します。

シェリー:私も同行をさせていただけないでしょうか?

 


ベンジャミン:あぁもちろんだシェリー。

ベンジャミン:運転を頼んでもいいかな?

 


シェリー:・・・はい。

 


イーサン:・・・どういうことだ?

 


ベンジャミン:簡単なことだ。

ベンジャミン:私はロビィをFBIに協力させて、

ベンジャミン:彼等はシェリーを監視につけた。それだけのことさ。

 


イーサン:いや・・・だから・・・

 


ベンジャミン:さぁ、ニューヨーク市警まで運転してくれたまえ。

ベンジャミン:あぁ、忘れていた。

ベンジャミン:3ブロック離れたところでサンドウィッチと珈琲を買わせてくれ。

 


シェリー:・・・まっすぐニューヨーク市警にむかいます。

 


ベンジャミン:ふふ。残念だ。

ベンジャミン:

ベンジャミン:

ベンジャミン:

 :【間を開ける】

 :

 :

 :

ミシェル:アナタがロバート・ベック?

ミシェル:ミシェル・コールマンよ。

 


ロバート:はい。よろしくお願いします。

 


ミシェル:あら、緊張してるのかしら?

ミシェル:コーヒーでもいかが?

 


ロバート:え?あ。はい・・・

ロバート:ありがとうございます。

 


ミシェル:ところで・・・。

ミシェル:ベンジャミン・スカーはアナタが協力してくれると言っていたのだけど・・・

ミシェル:情報を彼から預かったの?

 


ロバート:このUSBメモリーに入ってます。

 


ミシェル:そう・・・。

ミシェル:じゃあそのUSBメモリーはこっちで預かるから、アナタは帰っていいわよ。

 


ロバート:はぁ?

ロバート:それは・・・どういうことだよ・・・

 


ミシェル:ニューヨーク市警がどう事件を解決しているかはわからないけど・・・

ミシェル:FBIは優秀なエージェントたちがいるし、チームで事件を解決しようとしているの。

ミシェル:いきなりニューヨークのお巡りさんが私の部署に入ったところで・・・事件なんて解決しないわ。

 


ロバート:ちょっと待ってくれよ・・・。

ロバート:・・・アンタ。マジでFBIだけで解決できると思っているのか?

 


ミシェル:えぇ。もちろん。

 


ロバート:・・・こんな簡単な情報も手に入らなかったのにか?

 


ミシェル:・・・へぇ。それはどういうことかしら?

 


ロバート:犯人を特定したのは、おっさんじゃあない。

ロバート:俺だ。

 


ミシェル:じゃあ、一体犯人はだれ?

 


ロバート:犯人の名前はジェイク・スポット。

ロバート:コロラド州出身で先月ニューヨークに引っ越してきた。

ロバート:血液型はB。所持しているだろう武器はスタンガンとサバイバルナイフ。あと護身用に銃。

ロバート:・・・他に必要な情報は?

 


ミシェル:ふふ。アナタの上司からは家族構成と女の趣味を知っていると言っていたわよ。

 


ロバート:・・・それ事件に必要?

 


ミシェル:じゃあ血液型は必要だった?

 


ロバート:アンタ・・・マジで特殊捜査官?

ロバート:路地に付着していた血痕のこと・・・なぜ知らないんだよ。

 


ミシェル:・・・やはりFBIにハッキング・・・

 


ロバート:ちげぇよ・・・。

ロバート:ニュースで言ってたぜ?

ロバート:マスコミのほうが情報握ってんじゃあないのか?

 


ミシェル:・・・わかったわ。

ミシェル:ではチームへの参加を許可するわ。

ミシェル:・・・来なさい。

 


ロバート:・・・(溜息)

ロバート:これが憧れのFBIか・・・。

ロバート:

ロバート:

ロバート:

 :【間を開ける】

 :

 :

 :

ミシェル:さてと・・・ここがアナタのオフィスよ。

 


ロバート:・・・個室とはありがたいね。

ロバート:それで?俺は何をすればいい?

ロバート:資料の整理か?それとも掃除が先か?

 


ミシェル:いいえ。

ミシェル:あそこにモニターがあるでしょ?

ミシェル:・・・見学よ。

 


ロバート:ははは。そうか見学か・・・。

ロバート:ふざけんじゃあねえぞ!!

ロバート:俺の能力は見せただろ!?

ロバート:何故倉庫になんて押し込めるんだ!!

 


ミシェル:簡単な話よ。

ミシェル:アナタはFBIではなく、ニューヨーク市警だからよ。

ミシェル:別に捜査に協力するなとは言っていないわ。

ミシェル:チームに隠れて私にわかった事を教えてくれればいい。それだけの事よ。

 


ロバート:手柄を独り占めってか?

ロバート:ファック・・・くそったれだ!!

 


ミシェル:何とでもいいなさい。

ミシェル:事件を解決できたら・・・チームの仲間入りも考えてあげてもいいわ。

 


ロバート:・・・あー。わかったよ。

ロバート:どうせアンタも俺を利用するだけ利用して、捨てる気なんだろ?

ロバート:・・・やってやるよ。

 


ミシェル:ふふ。

ミシェル:ちゃんと考えてあげるから安心しなさい。

 


ロバート:その「考える」って言葉をやめろ。

ロバート:考えた結果、FBIに相応しくないって言うつもりなんだからな。

 


ミシェル:言葉の意味を考えるのは勝手にしなさい。

ミシェル:それで、アナタはどうやって犯人の居場所を見つけてくれるのかしら?

 


ロバート:とりあえず・・・資料とニューヨーク中の防犯カメラを見せてくれ。

ロバート:ニュースの情報だけじゃあ分からないこともある。

 


ミシェル:・・・この部屋に全てあるわ。

 


ロバート:・・・他のFBIの連中は遊んでるのか?

 


ミシェル:すべてデータ化されているの。

ミシェル:だけど、アナタにはパソコンがないからここにある資料をみせてあげる。

 


ロバート:・・・そうですかっと・・・。

ロバート:それじゃあ、後はこっちでやるから30分後に此処に来てくれ。

 


ミシェル:30分後?

ミシェル:そんな時間で居場所がわかるの?

 


ロバート:珈琲も持ってきてくれると助かる。

 


ミシェル:・・・わかったわ。

ミシェル:部下に行かせましょう。

 


ロバート:・・・そうしてくれ。

ロバート:そしたら、その部下が手柄を横取りになるけどな。

 


ミシェル:・・・。

ミシェル:そういう陰口は聞こえないところで言って欲しいものだわ。

 


ロバート:すまなかったな。地獄耳さん。

ロバート:

ロバート:

ロバート:

 :【間を開ける】

 :

 :

 :

ベンジャミン:さてさて・・・ここに取り出したるわー・・・

ベンジャミン:普通のハンカチーフ!!

 


シェリー:・・・私がアナタと遊ぶとお思いですか?

 


ベンジャミン:キミは私の監視役。故に私から目を離す訳にはいかない。

ベンジャミン:・・・つまり遊び相手にはちょうどいい相手という訳だ。

 


シェリー:・・・くだらない。

 


ベンジャミン:くだらない?

ベンジャミン:キミは新米捜査官だと聞いたが・・・。

ベンジャミン:私の監視役になれるという事がどれだけ凄い事なのか分からないようだね。

 


シェリー:えぇ。もちろんわかっていますよ。

シェリー:腕利きの情報屋で、アメリカの表から裏、全てを知り尽くした男。

シェリー:そんな悪党の中のVIPを監視できるんですから、光栄ですよね?

 


ベンジャミン:ふふ。

ベンジャミン:VIPってところは気に入ったが、一つ間違いがある。

ベンジャミン:私はアメリカの全てを知っている訳ではない。

ベンジャミン:知らない事だってたくさんある。

 


シェリー:例えば・・・どんな事ですか?

 


ベンジャミン:それは・・・秘密だ。

 


シェリー:秘密・・・ですか。

 


ベンジャミン:あぁ。秘密だ。

 


シェリー:・・・ベンジャミン・スカー。質問しても?

 


ベンジャミン:あぁ、かまわないよ。

ベンジャミン:あと私の事はファーストネームで呼んでくれたまえ。

 


シェリー:ではベンジャミン。

シェリー:・・・何故ミスター・ウォルヴィッツの口をテープでふさいでいるのですか?

 


イーサン:(口を塞がれている)んー!!

 


ベンジャミン:ふふ。

ベンジャミン:話を面白くするために口を閉じていてもらっているんだ。

ベンジャミン:その方が・・・イーサンにとって面白いことになるからね。

 


イーサン:んー!!!

イーサン:

イーサン:

イーサン:

 :【間を開ける】

 :

 :

 :

ミシェル:・・・さぁ、30分経ったわよ。

 


ロバート:珈琲は?

 


ミシェル:まずは解ったことを教えなさい。

 


ロバート:はいはい。珈琲もくれないわけね。

ロバート:・・・此処だよ。

 


ミシェル:・・・クイーンズ?

ミシェル:なんでこんなところに・・・

 


ロバート:防犯カメラをみたから。

 


ミシェル:ニューヨークにある防犯カメラが一体幾つ存在していると思っているのよ

ミシェル:いいから教えなさい。

 


ロバート:・・・犯人イコールダウンタウンにいるって考え方がまず古い。

ロバート:それにクイーンズにはジェイクはよく遊びに行く。

ロバート:サッカースタジアムがあるからね。

ロバート:隠れられる場所も多数ある。あとは居そうなところの防犯カメラを探せば・・・ヒットするってわけだよ。

 


ミシェル:・・・そう。

ミシェル:よくやったわ。

 


ロバート:さて。では犯人の居場所も特定したところで・・・

ロバート:FBIに入れさせてくれるか考えてくれたんだろ?

ロバート:教えてくれよ。俺はアンタたちとチームは組めるのかい?

 


ミシェル:・・・本当なら。頭を下げてでも来てもらいたいわ。

ミシェル:残念だわ。

 


ロバート:・・・。見たのか、俺の情報を。

 


ミシェル:・・・えぇ。

ミシェル:ベンジャミン・スカーの部下だっていうから・・・

ミシェル:アナタの犯罪経歴を見たわ。

 


ロバート:・・・犯罪は犯していないはずだけどね。

 


ミシェル:アナタの父親に問題があるわ。

 


ロバート:・・・レイプ殺人の犯人だったからな。

 


ミシェル:マイケル・ベック。

ミシェル:殺害された人数は5人。

ミシェル:被害者の数は・・・

 


ロバート:20人。

ロバート:その中に、俺が含まれている。

 


ミシェル:FBIは親族に犯罪者がいる場合、捜査官にはなれない規則よ。

ミシェル:だけど、アナタの能力は私も欲しい。

 


ロバート:・・・すまん。何を言っているんだ?

ロバート:さっき残念って・・・

 


ミシェル:えぇ。捜査官にはなれない。

ミシェル:だけど、私の部下として雇いたいの。

ミシェル:なんなら詐称して捜査官として潜り込ませることもできるわ。

 


ロバート:詐称ね・・。

 


ミシェル:聞こえは悪いかもしれないけど、

ミシェル:給料も上がるわ。

ミシェル:引き抜かれてみない?

 


ロバート:・・・ふふ。ふははっ!!

ロバート:(大笑い)

 


ミシェル:・・・答えはイエスでいいの?

 


ロバート:ははは・・・すまない。

ロバート:おっさんの言った通りの展開になっちまったんでな。

 


ミシェル:ベンジャミンの?

 


ロバート:あぁ。

ロバート:しかも俺がそのクソみたいな提案に乗るとまで読みやがった。

ロバート:サイキックかよあのおっさん!!

 


ミシェル:それなら・・・

 


ロバート:たしかに俺の希望通りの提案だが、

ロバート:あのおっさんに恩は売れないな。

ロバート:・・・俺は別のやり方で捜査官になってやる。

 


ミシェル:・・そんなのできる訳がないわ。

 


ロバート:いんや、アンタは俺を「傷物」だと思ったからこの提案をしたんだ。

ロバート:「傷物」の俺がFBI捜査官になる為の近道だ。

 


ミシェル:・・・じゃあ、アナタはどうやって目指すと言うの?

 


ロバート:捜査官を目指すのをあきらめて、

ロバート:FBIの犯罪コンサルタントでも目指すとするかね。

 


ミシェル:なれるわけがないわ。

ミシェル:実績もないニューヨーク市警のお巡りさんをコンサルタントになんて・・・

 


ロバート:実績なんて簡単にとれる。

ロバート:・・・俺は選ばれるよりも、選ぶほうが好きなんだ。

 


ミシェル:・・・そう。

ミシェル:勝手にしなさい。

 


ロバート:あぁ。勝手にさせてもらうよ。

ロバート:それと・・・おっさんから手紙を預かってる。ほらよ。

 


ミシェル:・・・これは?

 


ロバート:アンタが俺を引き抜こうとしたら読ませろってよ。

ロバート:じゃあな。

 


ミシェル:・・・。そう。

ミシェル:

ミシェル:

ミシェル:

 :【間を開ける】

 :

 :

 :

ベンジャミン:では、そろそろ口のテープを剥がしてやろう。

 


イーサン:っ!

イーサン:・・・まったく・・・あれはどういう事なんだベンジャミン!!

 


ベンジャミン:ふふ。

ベンジャミン:あれ・・とは一体何の事かな。

 


イーサン:とぼけるんじゃあない。

イーサン:なぜ、FBI捜査官にエリザベスが潜伏しているんだ!!

 


ベンジャミン:んー?

ベンジャミン:エリザベス?彼女はリズなんかではない。

ベンジャミン:シェリー捜査官だよ。

ベンジャミン:最近入ったらしいがね。

 


イーサン:・・・エリザベスを潜伏させたということは・・・。

イーサン:FBIから何か情報を欲したということか?

 


ベンジャミン:あんなマヌケの奴らから得られる情報なんて小瓶に入ったジャム程度のものだよ。

ベンジャミン:スプーンを使って取ろうとしても奥に着いたものは、なかなかすくえない。

 


イーサン:・・・そのすくえなかった情報が欲しかったのか?

 


ベンジャミン:・・・そうともいう。

ベンジャミン:そろそろロビィも事件を解決している頃だろう。

ベンジャミン:リズに戻って貰うとしよう。

 


イーサン:・・・それで、何が知りたかったんだ?

 


ベンジャミン:それは・・・リズに聞いてみればいいさ。

ベンジャミン:やぁシェリー。リズに変わって貰えないかな?

 


シェリー:(性格一変)

シェリー:・・・(溜息)なぁおっさんよぉ。

シェリー:私にもできないことはある。気がるに名前を改名させるんじゃあねぇよ。

 


ベンジャミン:仕方ないだろ?

ベンジャミン:FBI捜査官に成りすますのに偽名を使わないと色々と困ってしまうんだ。

 


シェリー:お陰でシェリーの人格がまだ残っちまってる。

シェリー:どうすんだよ。これ。

 


ベンジャミン:ふむ。もうミシェル・コールマンには種明かしをしてしまった。

ベンジャミン:殺してかまわん。

 


シェリー:・・・そうかい。

シェリー:それで、欲しかった情報ってこれか?

 


ベンジャミン:あぁ。これだ。

ベンジャミン:ありがとうリズ。キミには何か後で返そう。

 


イーサン:・・・なぁ、その情報とは一体何なんだ?

 


シェリー:あー・・・。私にも訳がわかんないんだけど。

シェリー:・・・FBIが捕まえた受刑者リストだと思う。

 


イーサン:・・・なんでそんなものを欲しがって・・・。

 


シェリー:それは・・・おっさんにしかわかんねーよ。

 


ベンジャミン:・・・ふふ。

ベンジャミン:そういう事か。

ベンジャミン:では私はでかけてくる;。

 


シェリー:・・・もう行っちまうのか?

 


ベンジャミン:あぁ。人とディナーの約束があるのだよ。

ベンジャミン:・・来ればの話だが。

ベンジャミン:

ベンジャミン:

ベンジャミン:

 :【間を開ける】

 :

 :

 ;

ミシェル:・・・。

 


ベンジャミン:やぁ。待たせたようですまない。

 


ミシェル:この手紙はなに?

 


ベンジャミン:ふむ。

ベンジャミン:私の字のようだが・・・。

ベンジャミン:「20時。ミッドタウンウエストのフレンチで待つ。」

ベンジャミン:ふむ。時間も場所もこの場所だな。

 


ミシェル:とぼけるのはやめて。

 


ベンジャミン:ふふ。ドレス姿のキミも実に綺麗だ。

 


ミシェル:・・・ベンジャミン。

 


ベンジャミン:いやいやすまない。

ベンジャミン:美しい女性を目の前にすると、口説いてしまうのは男の本能と言うべきかな。

ベンジャミン:手紙を読んで此処にいるという事は、

ベンジャミン:ロビィを口説いたが、フラれてしまったってところだろ。

 


ミシェル:・・・そうね。

ミシェル:私もフッてやろうかと思ったけど・・・。

ミシェル:何か私に用があったんでしょ?

 


ベンジャミン:あぁ。ロビィと貸した恩を返してほしいと思ってね。

 


ミシェル:・・・そう。私が「傷物」を返品しただけで恩だと思っているの?

 


ベンジャミン:彼を傷物と思ってしまうところが、君たちの悪いところだよ。

ベンジャミン:・・・傷っていうのは、勲章なんだよ。

ベンジャミン:彼がすばらしい素質を生み出したのはあの傷のお陰かもしれない。

ベンジャミン:・・・傷が人を成長させるのだよ。

 


ミシェル:・・・。じゃあアナタは傷だらけね。

ミシェル:それで、早くやって欲しいことを言いなさいよ。

 


ベンジャミン:ここの料理を食べながらでもいいんじゃあないのかい?

 


ミシェル:私も忙しいのよ。

ミシェル:・・・はやくして。

 


ベンジャミン:・・・とある人間と話したい。

ベンジャミン:その人は今監獄にいる。面会をさせて欲しい。

 


ミシェル:・・・その人の名前は?

 


ベンジャミン:イディアルキラーの盾。

ベンジャミン:ローレン家のメイド。

ベンジャミン:・・・フェイス・ピーラー。

 


ミシェル:・・・本気?

 


ベンジャミン:あぁ。本気さ。

ベンジャミン:フェイス・ピーラーだけが知っている情報。

ベンジャミン:・・・実の姉。ミランダ・グリーンの居場所をね。